【鹿児島】霧島アートの森 屋外で自然も一緒に楽しむモダン美術館

九州
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2021年12月に鹿児島県霧島市を旅行した時の記事です。

霧島2日目は、星野リゾート「界 霧島」をチェックアウトしてからレンタカーで「鹿児島県霧島アートの森」へ行きました。

「霧島アートの森」は広い敷地内にある屋内展示を自然と一緒に体感できる屋外型美術館です(屋内展示もあります)

鹿児島の芸術交流拠点施設でもあり、霧島の雄大な景観と四季の変化も同時に鑑賞できる野外展示空間になっています。

屋外常設展示は広い敷地の自然と一体化していて、想像していたよりダイナミックでとても楽しめました。

この記事では訪れた時の様子・記憶に残った展示作品などについてご紹介します。

★館内カフェの様子は次の記事に続きます>>

※アートホール改修工事は2022年3月に完了済みです

※2021年12月の旅レポートです。

鹿児島県 霧島アートの森 所在地

■鹿児島県 霧島アートの森

〒899-6201 鹿児島県姶良郡湧水町木場6340−220

広い無料駐車場もあります(約200台)

交通のアクセスについては公式HPに詳しく掲載されています。

▶︎公式HP「霧島アートの森」

界霧島から霧島アートの森へ

宿泊した「星野リゾート 界 霧島」から「霧島アートの森」までは車で約20分ほど。

霧島の茶畑が続く景色を眺めながら向かいました。

残念ながらチェックアウトをした11時前に霧島市は雨模様に。

霧島アートの森は、少し小高い山の中。

途中の道路沿いにも大きな商業施設などはなく、自然の中にどんどん入っていくような感じの場所に突然美術館の敷地が現れます。

敷地内の無料駐車場に車を停めてから、案内板のところで現在地を確認。

案内板を見て、敷地がとても広いのがよく分かりました。

ここから右手に進むと美術館の入り口へ続く道。

入口への道はとても美しい。並木も手入れが行き届き、整然と配置されています。

12月だったので並木は枝だけでしたが、暖かい季節には緑豊かな通路なのかなと思いながら歩きました。

残念ながら美術館の建物はアートホール改修工事中(※2022年3月末に工事は完了済み)

工事用のカバーがかけられていてホール全体が見渡せないのは残念でした。

アートホール改修工事中は(2022年3月末迄)、残念ながら工事中は屋内展示は休止中。

※改修工事は2022年3月末に完了済み

入り口の様子(入館料について)

美術館はアートホールの奥に屋外展示ゾーンがあります。

屋外展示は有料ゾーンです。

建物入り口右手に受付があり、ここで入館料を払います。

この時の入館料は、一般320円(1人分)

クレカや電子マネーが使えたかどうかは覚えていませんが、現金で支払いました。

アートホールの中はマスク着用です。

入館料を払ってからホールの奥に進みます。

アートホールの中にはカフェ・ショップもあります。

改修工事中もカフェとショップは営業していました。

ショップはカフェスペースの中にあり、カフェではランチやスイーツなども食べられます。

★カフェを利用した時の様子は次の記事でご紹介します>>

ミニライブラリーは広くて解放感があります。

傘の無料貸出サービスあり(雨の日でも安心)

アートホールには傘の無料貸出サービスがありました。

霧島アートの森の展示は屋外がメインです。天気が悪い日でも傘を差せば屋外常設展は全て見て回れます。

私達は折り畳み傘しかもっていなかったのでここで長傘を借りました。大きめの傘だったので雨でもゆっくり鑑賞して回れました。

屋内展示 大きな「赤い靴」

アートホールの改修工事中、屋内展示は「赤い靴」だけでした。

霧島アートの森は、この大きな「赤い靴」でも有名です。

実物を見てみたいと思っていたので屋内展示で見られて良かった。

■作品名「赤い靴」 作者 草間 彌生

あの有名な草間彌生さんの作品です。

女性の自立を象徴したハイヒールを題材にした作品とのこと。

草間さんの作品らしい鮮やかな彩りとモチーフ。

かなり大きな作品で、間近で見ると圧倒されます。

すごく大きな赤いハイヒール。

巨大だけれど、どの部分もとても可愛い。

アートって体感することだな、と思えた作品でした。

今後、草間さんの作品をもっと見てみたいです。改めてファンになりました。

屋外展示 記憶に残った作品いろいろ

アートホールの建物を通って、屋外の常設展の場所へ。

黒い階段を降りて、アートホールの下へ。

振り返ってみると、アートホールの全体像が見渡せます。工事中だったのが本当に残念。

屋外ゾーンはとても広い!

芝生がずっと続いていて、所々にアート作品。そして、芝生を囲むように林の木々が茂っています。ここから見える場所全部がアートの森です。

アートホールから出てくると正面に大きな人型のアート作品が見えます。

とても大きくて見上げる感じ。

海外作家の作品

ここからは印象に残った作品をいくつかご紹介します。

※展示番号とは順不同です

■作品名「男と女」
■作者 ジョナサン・ボロフスキー(アメリカ)

この人形のアートは、正面から見ると「女性」のフォルム。

でも、見る角度が変わると「男性」のフォルムになります。

人間に求められる優しさ・力強さ・自由への憧れなどを男女が交差する巨大なシルエットに込めている作品だそうです。

ぐるりと一周周りながら、変わっていく姿を体験。

黒い板の作品だけれど、見る角度でシルエットが変わるだけで雰囲気もガラリと変化して不思議な感じがしました。

芝生の広場の奥にも作品が並んでいます。

ゴールドの丸い額縁がたくさん。

なんだか額縁が踊っているみたい。

■作品名「あなたこそアート」
■作者 チェ・ジョンファ(韓国)

作品は絵の額縁だけ。その中の空洞から見えるものすべてが絵になるようにできている作品。

この丸い額縁の中に入れば、誰でもアートになれます。

霧島アートの森といえば、この金色の額縁がSNSなどでも有名ですね。

実際にこの場に立ってみると、額縁は大きくて厚みがあってとても豪華なフォルム。

それぞれの輪の中から見える景色も全然違います。

空間自体をアートにしてくれるような作品でした。

雨が降っている中で撮影してもこの美しさ。晴れていたらゴールドがもっと輝くのでしょうね。

芝生エリアはもっと多くの作品が常設されていますが、ここからは芝生の奥に展示されていた作品をご紹介します。

芝生エリアの一番奥に、サビ色の茶色の四角の展示物。

近づいてみると、トンネルのような空洞。

■作品名「ベレシート(初めに)」
■作者 ダニ・カラヴァン(イスラエル)

雄大でおごそかな大自然を実感し,自然に対する優しい心を呼び起こしてもらいたいと考えられた作品とのこと。

トンネルの入り口からのぞいたときの明暗の対比、そして先端に立ったときのパノラマの広がりを体感できます。

入り口はなんとなく暗くて、トンネルを入ると真正面の明かりが輝きます。

壁の間からも光が入って、別世界へ足を踏みれたような感覚。

先端部分はガラスの壁。

ここから霧島の景色が見わたせます。

残念ながら雨で見通しは悪かったけれど、ちょっと異空間に迷い込んだ気分になりました。

ちなみに、晴れている日は人気の展示なので入る時に行列ができていると思います。

林の中にも、印象的な作品がたくさん展示されていました。

林の中は熊笹が群生していて、日が当たらないところも明るい。

熊笹の間にウッドチップの小道が見えてきました。

その中に、石の彫刻が重なっています。

■作品名「イザナミ・イザナギ・アマテラス」
■作者 ルチアーノ・ファブロ作(イタリア)

霧島にまつわる神話をイメージして作られた作品だそうです。

イタリアの作家さんが霧島の神話をもとに作品を作るという点が素敵。

ロール上に巻かれたようにみえる彫刻には日本の島々が彫ってありました。

どういう風に表現されているのかは素人の私にはわからなかったけれど、この空間との一体感に圧倒されました。

林は少し坂を登ったり降りたり起伏もあります。

小道の途中、奥まった場所に白い建物が。

小道に誘われるように奥にすすんでいくと、これも作品でした。

■作品名「森の観測所」
■作者 カサグランデ&リンターラ(フィンランド)

人が自然を理解するための補助となるように作られた作品だそうです。

外側の区切られた場所に座って自然の音を聞いたり、

内側から木々を眺めたり。

この中で聞く森の音は、外で聞く音より響き渡っていました。

とても面白い空間でした。

主道に戻って、先を進むと上空にも作品が。

■作品名「薩摩光彩」
■作者 タン・ダ・ウ(シンガポール)

大きな蝶の形のステンドグラス。

ステンドグラスのフレームは、鹿児島のさつま芋の葉の形だそうです。

全部で7色のカラー。

7色の中の紫はさつま芋,藍色は薩摩切子の色彩を取り入れたもの。

鹿児島を象徴した彩りが樹林の木漏れ日のなかで揺らぐように設計されているそうです。

お天気の日に見たらきっともっと輝いていると思います。

鹿児島県出身の作家の作品

ここからは、鹿児島県出身の作家の方々が作られた作品の中で、印象に残ったものをいくつかご紹介します。

■作品名「時の巣」
■作者 通畠 義信(鹿児島県)

大きな鉄製の作品です。大きな鳥の巣のような形。

すべての生き物の誕生と死が自然の中で繰り返されていくことを表現しているそうです。

鉄の板と木々の緑が何故か一体化していて、見ていると癒されます。

大きな作品はもっとあります。

またまた坂の上に、大きな赤と黒の彫刻。

■作品名「アース・レッド&ブラック」
■作者 福元 修一(鹿児島県)

2つの球は大地のエネルギーを表していて、表面の模様は雲の流れ・木々のこもれびなど自然の息吹を表現しているそうです。

大人1人がすっぽり隠れてしまう大きさ。

赤と黒、両方の側から見た景色がまた違うようにも感じて不思議でした。

森から芝生の広場に戻ってくる途中にも作品が点在しています。

大きな白い石の彫刻が並んでいます。

■作品名「プライベート・ガーデン」
■作者 八田 隆(鹿児島県)

石を割ったときの表面の荒々しさや偶然にできる形をそそままに表した作品とのこと。

重々しい2つの白い花崗岩が迫力ありました。

その他にも日本の作家さんの作品がたくさん展示されています。

■作品名「気流~風になるとき」
■作者 西野 康造

事前の風の流れで翼がまるで羽ばたいているかのような動きをする作品。

翼が大空と大地の壮大な調和を表しているそうです。

本当にわずかな風にも敏感に反応して本当に生き物のように動いて、何分でも見つめていられるような作品でした。

林の中の様子(笹・木々の緑・落ち着く静けさ)

森の中には所々に現在地と地図の書かれた看板が立っていて、どの作品が近くにあるかすぐ分かります。

林の中は熊笹がたくさん。

笹の縁取りが白いから、暗い林の中も明るく感じます。

また、小道に入るとウッドチップが敷かれているので、雨の日でも靴が泥などで汚れない工夫がされていました。

小道や橋の近くには、ところどころに動物の彫像。

目がクリッとしていて、どれも可愛いい。

大きな木もあちこちに。

木々の葉も笹の葉も、雨に濡れてツヤツヤに鮮やかなグリーンがとってもきれい。

普段の暮らしの中で、こんな風に大木のそばでゆっくり過ごすことはありません。

この林の中にいると、木々に包まれている感じでずごく心が落ち着きます。

木だけでなく、小道の岩の苔も雨に濡れて緑が鮮やかでツヤツヤ。

小道を進むと、橋が何箇所かあります。

橋にはそれぞれ名前が付いています。

橋の下には川は流れていません。

川はないのに、水音がしてくるような気がしました。

雨の日でも行って良かった「霧島アートの森」

屋外常設展は、林の中をぐるりと回ると最初のアートホールの正面に戻ってくるように設計されています。

最初に芝生の広場を見た時と、森の中まで展示を見てからこの芝生のエリアを見た時とでは感覚が違っているのを感じました。

どの作品がどうとか、芸術的なことは何も分からなくて良いのです。

作品を見て回だけで、自然の空気と木や笹の緑の輝き、踏み締めるウッドチップの小道を歩く感覚、どれも全部がアート体験。

雨の日で、しかもアートホール改修中という残念なタイミングだったにも関わらず鑑賞して本当に良かったと今でも思います。

訪れるタイミングによって自然の環境も違います。またそれもアートの1つなのかもしれません。

霧島を訪れる機会があったら是非「霧島アートの森」へ足を運んでみてください。自然とアートの不思議な一体感を体験してくださいね。

カフェとショップの様子は、次の記事へ続きます>>

YouTubeの動画

この旅の様子はYouTubeにも動画をUPしてあります。
動画の方が美術館の様子が伝わると思います。ぜひYouTubeでご覧ください。