2019年12月26日、パルコ株は支配株主であるJ.フロントリテイリング(株)による株式公開買付(TOB)が実施され、パルコ株は上場廃止になるという衝撃的なニュースが発表されました。
同時に、2月末の配当と株主優待制度廃止も決定。
100株しか保有していない私でも、この急なニュースは大ショックでした。
今年11月に渋谷パルコが再生オープンしたばかり、業績もこれから復活!という矢先の出来事。
戸惑うことが急に起こったけれど、私はTOB応募はせず年末の最終売買日12/30にNISA口座のまま売却しました。
その事について少し書いてみます。
※株主優待パルコカードのその後については分かった都度この記事に追記していきます。
パルコ株 TOB価格と期限
2019年12月26日に発表されたJ.フロントリテイリング(株)による公開買付(TOB)の詳細は、公式発表によると下記の通りです。
【公開買付期間】2019年12月27日〜2020年2月17日
【公開買付価格】1株あたり1,850円
12/26日の終値が1378円、
ニュース発表後の翌日12/27は+300円ストップ高(※値幅制限で買い気配)
2019年の最終売買日12/30の終値は1845円でした。
▼株式会社パルコ公式HPでのお知らせは下記リンク
2020年2月期配当予想の修正及び株主優待制度の廃止に関するお知らせ(2019年12月26日)
https://www.parco.co.jp/news/detail/?id=1532&c=1
支配株主であるJ.フロントリテイリング株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同及び応募推奨に関する意見表明のお知らせ(2019年12月26日)
https://www.parco.co.jp/news/detail/?id=1533&c=1
パルコ株TOBまでの基本の流れとは?
TOBが発表になった翌日12/27、私がパルコ株を保有している証券会社(マネックス証券)から「公開買付の対象」になったお知らせがありました。
お知らせの内容は下記5点です。
初めてのTOB対象でしたが、大まかな流れは理解できました。
【お知らせの内容】
①公開買付期間中の売買について⇨公開買付期間中でも通常通り取引所売買が可能
②公開買付終了後の予定について
③公開買付の概要について(公開買付者・期間・移管締切日・買付価格・公開買付代理人など)
④公開買付の応募手順
- 野村證券(公開買付代理人)に口座開設 ※既に口座がある場合は不要
- 野村證券に公開買付応募申込書を請求
- 野村證券に該当銘柄を移管(移管請求はコールセンターに電話or WEBサイトから手続き後に郵送請求)
- 野村證券に公開買付けの応募申込書を提出
⑤注意事項
・NISA口座で保有している場合は一旦、課税口座への振替が必要になることなど
初めてのTOBで困った2つの事
自分が保有する株で「TOB&上場廃止」対象になったのは今回が初めての経験です。
TOB価格(1850円)は、私の取得価格よりもちろん高かったので損する話ではないのは幸い。
買い取ってもらえるのは良いのですが、お知らせを読んで困ったことも同時に分かりました。
私の場合、パルコ株をNISA口座で保有していたためTOBで売却するために3つの問題が出てきたのです。
【困った事】
- NISA口座のままTOBで売却することはできない(課税口座に戻す必要がある)
- TOBを行う証券会社(野村證券)に口座を持っていない人は新規に口座開設が必要
- TOBで売却する時に手数料がかかる?(詳細は野村證券に問合せなければならない)
問題①NISA口座のままTOBで売却することはできない
NISA口座で所有している株の売却益は、通常は非課税です。
でも、NISA口座で持っている株式はTOBで売却できないのです。今回初めて知りました。
TOBで売却するためには、まずNISA口座⇨課税口座へ一旦移す必要が出てきました。
私の場合、売却益が必ず出てしまうため課税対象になってしまいます。
問題②野村證券に口座開設が必要になった
TOBを行う証券会社(公開買付代理人)は決められています。
パルコ株の場合は、野村證券とのことです。
野村證券に口座がある人は問題ないのですが、私は野村に口座を持っていないためTOBで売却するには新たにに口座開設が必要になってしまったのです。
つまり、NISAの非課税枠を使えなくなったばかりでなくTOBのためにわざわざ他社に新しく口座を作る手間までかかるという事実も分かり、さらにガックリきました。
問題③TOBには手数料がかかる?
TOB対象が初めてなので、何となくお得なのかな?と最初は思ったけれど、それはちょっと違いました。
TOBで売却する時にも証券会社によって手数料がかかるようです。
パルコ株の場合は、公開買付に関する問合せは全て公開買取代理人である野村證券に問い合わせないと詳細が分かりません。
ということで、
私の場合は、野村に口座も持っていないし、他証券会社でのNISA口座保有のためTOBで売却することにメリットが感じられず、TOBには応募せずNISA口座のまま「取引所での売却」をすることにしました。
▼2020年1月追記
2020年1月11日(土)にJ.フロントリテイリング(株)から公開買付に関する書類が封書で届きました。
同封されていた「応募事務手続きのご案内」によると、
今回の公開買付の応募自体に手数料はかかりません、と記載されています。
ただし、口座振替にかかる手数料・売却代金を振込で受取る場合の送金手数料等がかかる場合があります、という内容も併記されていました。
パルコ株をNISAのまま売却しました
上記のような流れから、
TOB発表12/26の2営業日後の12/30(2019年東京証券取引所最終売買日)の終値(1845円)でパルコ株をNISA口座のまま売却しました。
寄り付きには大きな動きがあったようですが、後場はほとんど株価動かず出来高も厚くなかったので引け成りで売却し、パルコ株との最後のお別れをしました。
売却額は、1/7にNISA口座に入る予定です。
年内に手続き終わり、すっきりした気持ちです(年明け数円上がったとしても数百円の誤差という気持ち)
パルコ株を持ってから、株主優待で買物したり、株主優待パルコカードを作ったり、株主総会にも行ってみたりと自分なりに思い出深い株でした。
もう少しで3年保有の基準に達する予定だったのに(※3年保有で株主優待券が2倍)、これが一番残念だったことかもしれません。
安値で買った訳ではないため、今回の売却益は5万円には届きませんでしたが、こんな形で売却益が出たことは嬉しいけれど、パルコが上場廃止になってしまう淋しさなどいろんな気持ちになりました。
株主優待パルコカードはいつまで優待になる?
現在持っている株主優待パルコカードの有効期限は2020年5月です。
この株主が作れるレアなパルコカードは、いつでも5%offで買物できるだけでなく、第3&第4土曜日は毎月10%offになる特典があります。
普通のパルコカードは2019年秋から割引制ではなくポイント制に変わっているため、私は基本的に10%offの日に買物していました。
パルコ株は今回のTOBで2月末で上場廃止になります。
カードの有効期限は5月末、優待はいつまで適用になるのか私には今のところ分かりません。
※【2020年4月追記】株主優待パルコカードの優待は5月末まで有効とのことです。優待に関する封書が届き記載されていました。
これに関しては、後日何かお知らせが来るかもしれないので明確なことが分かった時点でこの記事に追記していくつもりです。
最後にもらった株主優待券は、息子の傘を買う時に使いました。
あの時は何も考えず支払で出してしまったけれど「もう優待券は届かないんだな」と思ったら、とても懐かしくなりました。
まとめ
パルコ株のTOB&上場廃止について、急なニュースに戸惑いながらも自分なりに考えてNISA口座のまま年末の最終売買日に売却したことについて書いてみました。
初めてTOB対象になってみて知ったことも多く、今回とても勉強になりました。
数年間のお付き合いだったけれど、パルコの株主になって良かったです。
さようならパルコ株、いろんな思い出をありがとう!
もう株主にはなれないけれど、これからも一人のお客さんとしてパルコでのお買物を楽しませて頂きます。
※私の場合の売却までの流れを書いてみました。この記事はNISA口座で保有している株式が「TOB&上場廃止」対象になった場合の一例です。全ての人に当てはまる事ではない点はご了承ください。