梅干しを作るのは難しいと思っていませんか?
梅を漬ける時も、天日干しする時にも専用の道具が必要だと思われがちです。でも、そんなことはありません。
私はキッチンにある普通の道具だけでずっと梅干しを作っています。専用の道具は使っていません。
過去記事でも2017年までは梅干作りの記事を書いてあります。
今回は梅干作りの工程を全部画像付きでまとめてみました。
簡単梅干作りの手順
私が自宅で作っている梅干は、赤紫蘇を入れない「白梅」です。
赤紫蘇を入れなくても美味しい梅は作れます。
専用の道具は使わずに、普段からキッチンにある普通のアイテムを使っています。
梅干しを作る時の流れは下記です。
①梅と粗塩を用意する
②梅を洗って乾かし、ヘタをとる
③粗塩を計量する(塩分濃度を決める)
④梅を塩で漬ける
⑤梅酢が上がるまで毎日チェックする
⑥梅雨が明けたら天日干し
⑦梅干の完成
⑧冷蔵庫で保存
簡単梅干作りに使っている道具
私が梅干作りに使っているのは、キッチンに普段からある道具だけです。
梅干専用の道具は一切使っていません。
具体的に使っているキッチンアイテムを挙げてみると
- 普通のザルとボウル
- キッチンクロス(布のふきん)
- キッチンスケール(塩を計量)
- ジップロックコンテナ(蓋付き保存容器)
- 厚手のビニール袋
- 大きめのお盆
- キッチンペーパー
- オーブンシート
- ケーキクーラー(オーブン用の焼き網など)
- アルコール消毒液(焼酎で代用)
どのご家庭にもだいたいあるキッチンアイテムばかりです。
梅干作りの工程
簡単梅干作りの工程を順番にご紹介します。
専用の道具を使う代わりに、普段から使っているキッチン用品で代用し、工夫しながら使っています。
何年もこの方法で梅干しを作っていますが、大きな失敗もなく美味しく作れていますのでどなたでも同じように作れると思います。
この作り方は私流ですので、使っているキッチン用品は他のものを代用しても大丈夫。
専用の道具がなくても、こんな方法でも美味しい梅干しがつくれることを知ってもらえたらうれしいです。
①梅と粗塩を用意する
毎年、梅が出回るのは6月初め頃。
梅干しを作る時には、この時期に梅を買います。
私はいつも大きめの南高梅で梅干しを作っています。
梅は新鮮なものを選びましょう。
南高梅の場合は青めのものを選んでいます。赤く熟し始めているものを買うと、梅を塩で漬けた後に果肉が潰れやすいです。
綺麗な梅干を作るためにも梅選びはとても大切です。
②梅を洗って乾かし、ヘタをとる
買った梅は、洗ってからよく乾かします
キッチンタオルの上に転がして自然乾燥させています。
キッチンタオルの上に転がった梅はとっても良い香り。
この香りは特別ですね。
梅が乾いたら、楊枝でヘタを取り除きます。
少し面倒な作業に思うかもしれませんが、ヘタから雑菌が繁殖しないためにも大切な作業です。
ヘタは取らなくても梅干は作れます。
梅の準備はこれでOK。
③粗塩を計量する(塩分濃度を決める)
梅の準備ができたら、粗塩を計量します。
梅の重さを計って、その重さの何%分の塩を使うかを決めます。
例えば、梅1kgの場合 ⇒ 塩分濃度10%の場合は、塩100g
梅を漬ける時の塩分濃度の目安は10〜20%ぐらいの範囲内でお好みで。
いつも15%で漬けています。
塩分濃度が薄いと保存する時にカビやすくなります。
完成後の梅を冷蔵庫で保存する場合は、15%なら今までカビたことはありません。
常温保存したい場合には、塩分濃度は高め(20%ぐらい)にしないとカビてしまうのでご注意ください。
塩分濃度は好みがあると思います。
何度か作ってみると「美味しい」と思える濃度がだんだん分かってきます。
我が家の「美味しい」と感じた濃度が15%でした。
④梅を塩で漬ける
計量した粗塩で梅をつけます。
梅を漬ける時に使う道具は、厚手のビニール袋と蓋付きの保存容器(ジップロックコンテナ)
写真左の大きいサイズのジップロックコンテナには梅1kgが入ります。
写真右の正方形のジップロックコンテナには梅500gが入ります。
この時は、合計2kgの梅を漬けました。
梅の漬け方も簡単です。
厚手のビニール袋を2重にして、梅を入れて、上から塩を振るだけ。
ビニール袋の口を結んで閉じて、塩が全体にかかるように少し手で転がしてからジップロックコンテナに入れて蓋をします。
蓋をしたら、塩で漬けた日を書いたポストイットなどを貼っておくと分かりやすいです。
▼これは2018年に作った時の画像
漬けたばかりはまだ梅酢が出てこないので、塩の形は残っています。
日が経つごとに梅酢がにじみ出てきて塩は自然に溶けるので心配ありません。
⑤梅酢が上がるまで毎日チェックする
蓋をしたジップロックコンテナは、キッチンの床や戸棚の中など常温の場所に置いて梅酢が上がるのを待ちます。
蓋付きの容器なら匂いはそれほどもれません。
梅雨が明けるまで常温のままです。
塩で漬けてから梅酢が上がるまでの期間は、毎日梅の様子をチェックしましょう。
梅酢は少しずつ出てきます。
梅酢は梅の腐敗も防いでくれるので、完全に梅酢が出るまでは毎日梅の袋をゴロゴロと手で揺するようにして、梅酢が全体に回るようにします。
梅酢が上がってきたら、毎日チェックしなくても大丈夫です。
この段階が意外と大切。
私は以前、完全に梅酢が上がる前に数日間チェックし忘れてしまい、袋の上部の梅にカビが出てしまったことがあります。
少し面倒な作業ではありますが、塩に漬けて数日間は毎日チェックしてみてください。
梅酢がしっかり出て、梅全体が梅酢で満たされるようになったら毎日チェックする必要はありません。
あとは、梅雨が明けるのを待ちましょう。
⑥梅雨が明けたら天日干し
梅雨が明けたら、梅を天日に干します。
まずは、梅酢がたっぷり出た梅を取り出します。
ビニール袋を二重にしたので、容器内にも梅酢は漏れていません。
袋に入っている梅と梅酢は、大きめのザルとボウルを重ねて入れれば、梅と梅酢に分かれるので簡単。
梅酢は捨てずに別の用途で活用できます。
梅酢は記事後半に保存方法と使い方を書いておきますのでそちらをご覧ください。
取り出した梅は濡れているので、キッチンペーパーの上に広げて余分な水分を取ります。
天日干しが梅干作りで一番困るところかもしれません。
専用のザルで干すイメージがありますよね?
私も約20年前は専用のザルを買ったことがあります。でも使わない時期は置き場所に困りました。また、子育てが忙しかった時期に数年使わない年が続いたらカビてしまったので処分しました。
それ以来、その時しか使わない専用の道具は使わずにキッチンにいつもある道具で代用しています。
干す時に使っているのは、大きめのお盆とケーキクーラーです。
まず、大きなお盆の上に、キッチンペーパーを敷いてから、ケーキクーラーを乗せます。
ケーキクーラーは、パンやお菓子を焼いて冷ます時に使っているものです。
以前はオーブンの焼き網を使っていました。焼き網でも大丈夫です。
ケーキクーラーの上に、キッチンペーパーを敷いてさらにオーブンシートを乗せます。
オーブンシートの上に、梅酢の水分を取った梅干しを並べれば、天日干しの準備は完了です。
準備ができたら、トレーごとベランダなど日の当たる屋外に出します。
干す時に、ベランダで使っている収納コンテナをきれいに拭いてからお盆を乗せています。
昔から天日干しは三日三晩と言われています。
私も日干しは3日間しています。
ただし、我が家はマンションのため昼間はテラスで干して、夜は家の中に入れています。
梅雨明けしても必ずしも天気が3日続かない年も今までありました。
もし曇った日になってしまっても屋外に出して乾燥させましょう。
日照時間が短い時は、干す日を追加すれば良いだけです。
⑦梅干の完成
3日間の天日干しが終わったら、梅干は完成です。
干す前より水分が減って、少しシワができています。
梅干しはこのまますぐ食べることができます。
出来立ての梅干は、酸味がしっかりあって意外と本格的な味。
⑧冷蔵庫で保存
完成した梅干は、消毒した蓋付き容器に入れて冷蔵庫で保存しています。
保存する容器はなんでもいいと思います。私はジップロックコンテナを使っています。
食品用のアルコール消毒液がない時には、焼酎やウイスキーなどで代用しています。
冷蔵庫で保存すると何年も美味しく食べられます。
これは2018年の画像です。2kgの梅は全部でこの量ができました。
冷蔵庫で数年保存可能(3年保存した梅干の様子)
梅干しは冷蔵庫で上手に保存すると、何年も美味しい状態で食べることができます。
食べると減るので、減った時に小さめの容器に移し替えていくと冷蔵庫内で邪魔になりません。
これが3年経過して、現在残っている2018年製の梅干しです↓
残りはほんのわずか。
子供が大学生になって家族のお弁当を作る必要がなくなったこともあり、梅干し消費量が減ってしまったため少し残りました。
どれくらい保存可能なのか実験の意味もあって保存してみたら、3年目の現在も美味しいままです。
▼3年目の梅干し
キッチンにある道具だけで簡単に作ったとは思えない本格的な梅干しです。
もし良い状態の梅が沢山買えた時には、1年間の消費量より多かったとしても手間は同じなので多めに作って、冷蔵庫で保存して長く楽しむのも良いと思いました。
2018年に買った梅はとても良い梅でした。
あの時はもうお弁当も作らないから1kgだけ作ろうかなと思ったけれど、出会った南高梅がとても良い梅だったので2kg買って作りました。
結果的に、この2年は美味しい梅干しをゆっくり食べることができたのであの時多めに作って正解だったなと思っています。
冷蔵庫保管する時は、必ず容器は消毒してから使いましょう。
せっかく時間をかけて作った梅干しを最後まで美味しく食べるための一工夫です。
梅酢の保存方法と使い道
梅干しをつくる過程で必ず出るのが「梅酢」
塩漬けすると浸透圧で梅の中の余分な水分が外ににじみ出てきます。これが梅酢です。
梅酢はとても酸っぱくて、塩分が強めの液体です。
このまま飲むには塩分濃度が濃すぎます。
梅酢の使い方はネットなどで検索するといろいろな活用方法が探せると思います。
私は梅酢は保存して、キッチンシンクの銅製水切りカゴの黒ずみ汚れ落としに使っています。
我が家のキッチンシンクの排水溝の水切りカゴが銅製ですぐ黒ずみます。梅酢は塩分と酸の両方の成分があるので銅製品の黒ずみがとてもきれいに落ちるのです。
2kgの梅からこんなに梅酢が取れました。
梅酢は、炭酸水やお水が入っていたペットボトルの空容器に詰めて冷蔵庫で保存しています。
梅酢の使い方はいろいろありますので、お好きな方法で活用してみてください。
塩分と酸の成分がある梅酢は、錆びてしまうような素材の容器にいれないようにそれだけご注意ください。
まとめ
専用の道具がなくても簡単に作れる梅干しの作り方をご紹介しました。
キッチンにいつもある道具だけでも美味しい梅干しは作れます。赤紫蘇を使わない白梅なら初めてでも上手に作れます。
梅と塩だけで、こんなに美味しい梅干しが作れるなんて不思議です。
良い梅を選んで、衛生面さえ気をつければキッチンにある道具を工夫することで梅干しは作れます。
今年も梅の季節になりました。
2018年に画像は撮影したのに記事に書くタイミングを逃してしまい、今回作り方のまとめとして画像を使うことにしました。
それぞれのキッチンにある道具は違うと思うので、代用できそうなものでトライしてみてください。
最初は1kgから作ってみると簡単さが分かって頂けると思います。
▼関連記事